闘争

その場で行われたのは互いに自我を守ろうとする闘争だった。
そして、その自我の闘争は3対1で行われた。
しかし、闘争は相手に有利であった。少なくとも、闘争不可能な場所で、物理的な拘禁を受け、目の前に凶器を持ち出され、狂気の論理を持ち出されて戦う術は、俺には無かった。
その意味では、相手方はその闘争の大切さを熟知していた。そして、魔術的な精神の神話とやらに捕らわれすぎていた。
俺は人格を否定され、この場から去りTRPGを止めるように勧告された。それは、恐らく自我を守るための精一杯の叫びだったのだろう。

俺はTRPGに関する一切の活動を停止し、暫く考えた。
精神と自我に関する攻撃は、ある種の人々を酷く傷つけることを知った。
俺はあまりに幼稚だった。その程度のことは、人として常識であるにもかかわらず。

俺はスタンスを変えた。そして、そのまま活動を続けた。
ある一本の電話がかかってくるまで。

「あー、もしもし、がれっと君ですか。」
かけてきたのは、俺が先の文章で自我を(知らずに)攻撃した人の良人だった。